講習会参加してきました

もう間もなく今年も終わろうとしていますが、皆様いかがお過ごしでしょうか。今週のブログ担当は歯科衛生士の田村です。

 

浜岡歯科クリニックではスタッフのスキルアップと新しい知識を得るため、年に4回講習会、セミナーの受講します。基本的に個人個人で興味のある内容などで選んで受講しており、私も今年最後の4回目となる講習会に本日受講してきました。

東京ステップアップ講演会という講習会で、内容は虫歯と歯周病のメカニズムや歯周治療に関するものでした。

なかでも参考になったのが、全身疾患と歯周病に関するものでした。

心臓、肝臓、腎臓、肺、脾臓を「5つの臓器」と呼びますが、腸内細菌叢は「6つ目の臓器」と呼ぶほど重要だというものでした。歯周病は慢性炎症の病気ですが、全身の疾患は炎症で繋がっているそうです。肥満や糖尿病、高血圧、関節リューマチ、がん、アルツハイマーなど、歯周病に関係のある全身疾患は100以上もあるというのです。

それに加え、口の中だけの炎症だけでなく腸も慢性炎症を起こしてしまい、慢性下痢、腸炎、肥満、動脈硬化、肝がん、大腸がん、免疫異常などの原因となるそうです。腸の炎症を起こさないなためには腸に住んでいる善玉菌を増やすことが大事とのことです。

よくヨーグルトや乳酸菌飲料が腸内細菌に良いといいますが、講師の先生がおっしゃるには1日にヨーグルトなら500g食べないと効果は出ないそうです。それでも腸内細菌全体の0.005%以下で、プールに目薬くらいの量だとか。そして何より通過菌といって、ずっと住み着いてくれるものではないそうです。なので毎日の摂取が必要となるのだそうです。

そのため、自分の腸にもともと住んでいる善玉菌を増やすことが大事だそうです。善玉菌はオリゴ糖や食物繊維を餌としています。オリゴ糖は薬局などで購入して摂取出来ますが、食物繊維が豊富な食物は代表的なものとしてゴボウや大麦、海藻類です。そしてそれらの食物は歯がしっかりしていないと食べづらいものですよね。ですのでしっかり噛むことが出来ないと、全身の健康を保つための栄養が摂れないということにつながります。

もはや全身疾患と口腔ケアは切っても切り離せない関係です。「歯だから全身の病気には関係がない」と思わず、口から健康が始まるということをメインテナンスでいらした患者様に広めていきたいですね。

そのためにもまずは患者様には自分の口腔内に興味を持ってもらい、何のために歯医者に来るのか、ということから伝えていきたいと思います。

 

写真は昼食で出たサンドイッチです。ボックスが可愛かったので記念に撮ってみました。中身もオシャレで美味しいサンドイッチでした!

歯周病と糖尿病

歯周病と糖尿病には関連性があるのをご存知ですか?実はかなり深い関係があります。

1.歯周病とは

歯周病は細菌感染によっておこる歯の周りの組織の病気で、歯垢中の細菌の攻撃に対して体が防戦する際に分泌されるサイトカインが過剰に分泌されると自分を破壊してしまうことが原因です。

2.糖尿病とは

糖尿病は血糖値が高い状態が続いた結果、全身の器官に異常をきたす病気です。インスリンが分泌されない(1型)とインスリンが分泌されてもうまく作用しない(2型)に分かれます。日本人の糖尿病患者の90パーセントが2型です。

3.高血糖が続くと歯周病は悪化します。

血糖値が上昇すると。自分を攻撃してしまう特定のサイトカインが増えることが原因と考えられています。また糖尿病の人は免疫や組織修復力も弱いため炎症による歯周組織破壊が進みやすくなります。

4.歯周病治療で糖尿病が改善

糖尿病と歯周病を併せ持つ患者さんに歯周治療を行うと血糖値が改善したという報告が多数あり、歯周病は糖尿病を悪化させる要因の一つである可能性が高いということがわかってきました。メカニズムとしては炎症時の特定のサイトカインがインスリンの作用を邪魔しているからと考えられます。したがって歯周病を治療することによりサイトカインの量が減少し、結果インスリンの作用が発揮されて血糖値が改善すると考えられています。

実は歯周病は糖尿病だけではなく心臓病や動脈硬化、脳血管障害、肺炎、早産などにも関連性があることがわかってきています。体の健康はお口から!定期的なメンテナンスをお勧めします。

歯科医 阿部の担当でした。