【2022年最新情報】禁煙をおすすめする理由 その1

まだまだ暑い日が続きますが、皆様いかがお過ごしでしょうか?

暑さに悲鳴を上げている私に反し、我が家の観葉植物はこの暑さを喜んでいるようです。すくすくと成長し(巨大化し‥)この夏で私の身長をとうとう越してしまいました。昔はあんなに小さかったのにな。そんな植物たちに毎日癒され元気をもらっています。

さて本題ですが、今回は喫煙と細菌についてお話ししていこうと思います。

マイクロバイオームとは?

マイクロバイオームという言葉をご存じでしょうか?
一言で言うと常在菌層のことです。

今日では【人と常在細菌と合わせて1つの生命体とみなすことができる】という考え方が主流となってきています。

私たちの体の中には沢山の数の常在菌が存在します。常在菌は大きく分けて善玉菌(2割)・悪玉菌(1割)・日和見菌(7割)からなりバランスをとっているのですが、日和見菌は優勢な方に味方をします。善玉菌が優勢になっていることがとても大切です。
私たち一人一人生活環境や遺伝的要素など違いますのでそれぞれ固有の常在菌層が存在し、健康な時は私達(宿主)と細菌はバランスをとって生きているのですが、
ひとたびこのバランスが崩れると有害な細菌が原因となり私達(宿主)の組織を傷つけていくのです。

常在菌イラスト

口腔マイクロバイオームとは?

私達のお口の中の細菌層(口腔マイクロバイオーム)はどうでしょうか?

お口の中には1200種類【100億個の細菌】が存在します。すごい数ですね‥。腸内の細菌数についで多いということです。その細菌たちは口の中の粘膜、唾液、舌、歯面、歯周ポケットの中にいます。
そして、虫歯の関連細菌・歯周病の関連細菌が増えるとバランスをとっていた細菌層が崩壊してしまいます。そして虫歯や歯周病になってしまうのです。

では虫歯や歯周病の関連細菌を増やす原因の一つはなんでしょうか?

そう【喫煙】なのです。

口腔内常在菌

喫煙と口の中の常在菌のバランス

喫煙する方のお口の中や歯周ポケットの中のマイクロバイオームは病原性が高いです。
そして、喫煙は虫歯関連の細菌バイオフィルムの成長を促進させます。
また、禁煙により病原性の高い歯周病関連菌が減少します。

つまり、喫煙は虫歯と歯周病どちらの菌の活動も促進させてしまうのです。お口の中のマイクロバイオームのバランスは崩壊して、虫歯や歯周病になってしまうのです。

禁煙後の体の変化

最後に禁煙すると、どのような身体の変化があるのかお伝えします。

禁煙後の体の変化

1分後タバコのダメージから回復しようとする機能が働き始める。
20分後血圧は正常近くまで下降。脈拍も正常付近に復帰。手の体温が正常にまで上昇。
8時間後血中の二酸化炭素レベルが正常域に戻り運動能力が改善。
24時間後心臓発作の確率が下がり始める
48時間後臭いと味覚が復活する。
48時間〜72時間後ニコチンが体から完全に抜ける
72時間後気管支の収縮がとれ呼吸が楽になる。肺活量が増加。
2〜3週間後体循環が改善。歩行が楽になる。肺活量が30%回復する。
1〜9ヶ月後咳、静脈、うっ血、全身のだるさ、呼吸速拍が回復する。
5年後肺癌になる確率が半分になる
10年後前癌状態の細胞が修復される。口腔がん、咽頭がん、食道がん、膀胱がん、腎がん、膵臓がんになる確率が減少する。

最後に

いかがだったでしょうか?今回は細菌と喫煙をメインにお伝えしました。
次回は 電子タバコと紙たばこ&インプラントと喫煙についてのお話しをしていきます。
このブログが皆様の健康維持のために少しでもお役に立てれば幸いです。最後まで読んでいただきありがとうございました。

世田谷区 千歳烏山 浜岡歯科クリニック

歯科衛生士  佐藤

喫煙と歯について

こんにちは!

今回は、「喫煙と歯」についてお話ししたいと思います。 

タバコには、約4000種類もの化学物質が含まれています。その中でも「ニコチン」「タール」「一酸化炭素」など約200種類の物質が人体に影響を与える有害物質となっています。

タバコがもたらす歯への悪影響とは

①歯が黄ばむ

タバコに含まれるタールによって、歯は黄色っぽくなります。タールはヤニに当たります。タバコを大量に吸う部屋では、壁が黄色っぽくなると思いますが、それと同じ現象が歯でも起こるのです。

②口臭、虫歯

ヤニは歯にくっつくと歯がザラザラになります。歯垢はツルツルな歯よりもザラザラの歯にくっつきやすく、その歯垢によって口臭を強くしたり、虫歯の原因になってしまうのです。

③歯周病

喫煙者と非喫煙者を比べると、喫煙者の方が約4倍歯周病になるリスクが高まります。

ニコチンには、血管を収縮させる効果があります。血管が収縮すると、老廃物が流れにくくなるだけでなく、栄養素や酸素まで血管を流れにくくしてしまいます。

そのため、出血も少なくなるのが特徴で、出血がなくなると、実際は炎症を起こしているのに出血しないということが起こってしまいます。つまり、炎症に気付きにくくなってしまうのです。

歯周病はただでさえ自覚症状がない病気です。タバコを吸っていると、歯周病が進行していることに気がつかないことがほとんどで、気がついたときには口全体が歯周病に侵されていることも珍しくありません。

④歯茎が黒ずむ

ニコチンによる血管収縮が原因で歯茎が黒ずんだ色になってしまいます。

こういった悪影響があることから、タバコはあまりオススメできませんが、すぐに禁煙をするということは難しいことだと思いますので、まずは本数を減らしてみたり、吸った後に歯磨きやうがいをして少しでも影響を軽減してみてはいかがでしょうか。

また、お口の健康のためにも定期的な検診やクリーニングを受診することをオススメします。

世田谷区 千歳烏山 浜岡歯科クリニック

歯科助手 星野が担当いたしました。

唾液の働き

こんにちは。

歯科医師の濱岡玄です。

今年も少しづつ暖かくなってきました。

今回は日常ではあまり意識しない唾液についてお話しさせて頂ければ思います。

まず初めに唾液はどのような時に分泌されるのかをお話しします。

唾液を分泌する唾液腺は、自律神経によって調整されております。

通常の臓器では交感神経優位時(ストレス時)と副交感神経優位時(安静時)によって正と負の拮抗的な調整をします。ですが、唾液腺ではストレス時、安静時どちらでも唾液の分泌を促進する機能があります。

ストレス時はタンパクの多い水分量の少ない唾液を出し、安静時にはタンパクの少ない水分量の多い唾液を出します。

そのため唾液とはストレス時安静時どちらも体にとって大事なものと考えられるでしょう。

唾液の主な働きは、浄化作用、緩衝作用、抗菌作用、再石灰化作用、消化作用、潤滑作用、味覚作用となります。

浄化作用はお口の中の物質を水分によって洗い流す機能です。菌や食べ物、酸などを浄化することによって虫歯の発生を抑えます。

緩衝作用はお口の中のpHを中性の維持しようとする機能です。細菌が代謝した酸を中和し、歯が虫歯になることを防いでくれます。ストレス時は炭酸ー重炭酸塩系で緩衝し、安静時はリン酸塩系で緩衝します。

抗菌作用は虫歯菌、歯周病菌の定着・増殖を抑制してくれる機能です。

ラクトフェリン、リゾチーム、ディフェンシン、シスタチン、ディフェンシン、アミラーゼ、ペルオキシダーゼ、分泌型IgA等様々な抗菌作用を持っている物質があり菌の増殖を抑えてくれます。お口は外から多く物を取り込む場所なだけに様々な方法で守られています。

再石灰化作用は、虫歯になりかけた部分に対し再度固く良好な結晶構造になることを促してくれる機能です。この機能があるため小さい虫歯を削らず、フッ素などを塗布するのみの治療が一般的になりました。

消化作用は唾液中のアミラーゼがデンプンを分解し、リパーゼが脂肪を分解することにより消化作業をしてくれる機能です。

潤滑作用は、物理的科学的刺激から唾液中のムチンがが口腔粘膜を守ってくれており、安静時の唾液が多くこの役割を担っています。

味覚作用は、唾液中に食べ物の成分が溶解することにより味蕾(味を感じる部位)の反応を向上させてくれるという機能です。食べ物の味をより一層感じやすくしてくれます。

お口の中の唾液は意識しないうちは当たり前の様に色々な働きをしてくれます。

ですが、ストレス、年齢、服薬、習癖、喫煙などにより分泌量が少なくなるとその機能が上手く働かなくなり様々な弊害が出てきてしまいます。

お口の中に違和感がある、他の人より虫歯になりやすい、食べ物が上手く飲み込めない等の原因は唾液にあるかもしれません、気になる方は歯科医院で唾液検査受けてみてもいいかもしれません。原因が分かれば対処方法があるかもしれません。

世田谷区 千歳烏山

浜岡歯科クリニック 歯科医師 濱岡玄でした。