受け口の早期治療*ムーシールド

暖かく過ごしやすい気候となりましたが、時に寒さが戻るこの頃です。皆様、お健やかでお過ごしでしょうか?。

受け口(反対咬合)とは、下の歯が上の歯より前に出ている噛み合わせの状態をいいます。

反対咬合は三歳児検診で4~5%の割合で見つかると言われています。そしてその約1~3割は、上下顎の前歯が生え替わる時期に自然治癒します。ですが7割は放置してしまうと「三日月的な顔立ち」に成長してしまいます。

反対咬合の原因は遺伝と、お口周りの筋肉の使い方によるものです。筋肉が正しく使われていない癖を改善してあげて、反対咬合を治すのがムーシールドです。

三歳児など小さなお子様の反対咬合では ①上唇の力が強く、上顎が小さい ②下唇の力が弱い ③通常より舌の位置が低いため、唾を飲み込むときに下顎が舌に押し出されてしまう といった舌、唇、頬の力などのバランスが乱れて、調和がとれていない特徴があります。

ムーシールドはマウスピース型の矯正装置で、①強い上唇の力から、上顎の歯並びを守り、上顎の成長に適した環境を作る ②弱い下唇の力を適正にして、下顎の過成長を抑える ③舌の位置を改善させることで、下顎に不適切な力がかからなくなり、逆に上顎に適正な力がかかり正しい成長を促す といった働きがあり治療していきます。

通常の歯科矯正治療は低年齢のお子様におこなうことができないのですが、ムーシールドは就寝中の装着するだけの負担の少ない方法なので、早期からの治療が始められます。逆に、何もせずお口周りの筋肉のバランスが正しく働いていない状態で成長が進むと、反対咬合の治療も難しくなる場合があるので、早期に治療することをお勧めします。

しかし、ムーシールドだけでは対応できない場合があります。

鑑別診断として、下顎4前歯のみの反対咬合の場合は、比較的軽い反対咬合といえるため、ムーシールドのみの治療が望めます。しかし下顎6前歯が反対咬合になっている場合は、骨格的な反対咬合で全身成長に伴い下顎の過成長も考えられるため、更に本格的な矯正治療が必要となる可能性が高いです。

従って、骨格の成長期が終了するまでは異変の早期発見のため、定期健診を続けるのが理想となります。

しっかり使用できれば3~8ケ月で改善しますが、改善後も正しい筋機能が身につくまでの使用が必要です。また取り外しができる装置なので、お子様が外さない意識を持ってもらうよう協力できるようになった段階での治療開始が望ましいです。

気になることがございましたら、是非ご相談ください。

世田谷区 千歳烏山 浜岡歯科クリニック

担当は歯科医師 小嶋智子でした。

 

TCH(歯列接触癖)を知ってますか?

日常生活の中で、上下の歯をかみしめていませんか?

歯ぎしりやくいしばりは、歯と顎の関節や筋肉に大きな負担をかけます。 また上下の歯が接触する程度の弱い力でも、接触時間が長時間になれば大きな負担になってしまいます。強い力はかからないけれど、無意識のうちに上下の歯を触れさせ続けてしまう状態を歯列接触癖(Tooth Contact Habit)といいます。

ひとは通常、上下の歯列間に1~3㎜の隙間があり、上下の歯が接触するのは物を噛むときと飲み込むときだけで、平均で1日20分以下といわれています。
一方、上下の歯列間の隙間が失われ、上下の歯の接触時間が長くなってしまうのが歯列接触癖を持つかたの特徴です。

ストレスや緊張が続いたり、パソコンやスマホの操作 に集中しすぎたり少し俯いた状態での操作、また掃除や料理などの家事の間にも歯を接触させてしまう原因があると考えられています。

①舌の先端あるいは周縁部に歯の圧痕がある、②頬粘膜に咬合線がある、③唇と上下の歯を別々に動かすことが困難である(例えば、唇を閉じて咬合する。この状態から上下の歯を離開すると、同時に唇も離開してしまう。逆に唇も上下の歯列も離開している状態から上下の歯を接触すると、同時に唇も閉じてしまう)状態がみられると歯列接触癖である可能性が高いです。

また歯列接触癖では、歯の慢性咬合痛、歯周病の悪化、詰め物やかぶせ物の脱離、歯の破折やひび割れ、慢性的な口内炎、咬合の違和感、舌や頬粘膜の誤咬、舌痛症や義歯性疼痛の症状をひきおこす可能性があります。

歯列接触癖を止める最も効果的な方法は、お口の中で歯を離す事を意識することです。唇を閉じて、上下の歯を離し、顔の筋肉の力を抜くことを2~3ケ月続けるうちに接触癖が落ち着くことも多いようです。 また付箋に「上下の歯を合わせない」などと書いてパソコンやテレビの隅に目印として貼っておき、それを見たら上下の歯を離すよう思い出すようにするのも効果的です。仕事、家事、勉強での姿勢を正しくすることも、大切なことです。

このような症状がありご心配な方は一度ご相談ください。 

世田谷区 千歳烏山 浜岡歯科クリニック

担当は歯科医師 小嶋智子でした

過蓋咬合

急に寒さがやってきましたが、皆様お変わりなくお過ごしでしょうか?

問題のある嚙み合わせのひとつに過蓋咬合があります。

嚙み合わせた時に、下の前歯が上の前歯に覆われて見えないような、前歯の嚙み合わせが著しく深い嚙み合わせを言います。下の前歯が上の前歯の裏側の根本に当たる状態になると、歯茎を噛んで痛んだり、顎の動きに制限が加わり顎関節痛につながったりします。成長期に過蓋咬合であると下顎骨の成長を阻害することもあります。

*過蓋咬合になる原因*

遺伝によって、顎の骨の位置に問題があったり、上下の骨の成長がアンバランスな場合、歯の位置・傾きに異常がある場合、前歯が過剰に伸びている場合、奥歯の萌出が少なく高さが不足している場合があります。

後天的には、虫歯が原因で噛み合わせが崩壊して歯の高さが低くなったり、奥歯を抜いたままにしていると噛み合わせが深くなってしまい過蓋咬合になる場合があります。また強い力で歯を噛みしめる癖があったり、下唇を噛んだり、下唇を吸うなど口周りの筋肉を緊張させる癖、うつぶせ寝や頬杖が原因になります。

*治療方法*

乳歯列では原因究明をした上で経過観察をしていきます。一番奥の乳臼歯が生えていない場合は、生えることで改善の可能性があります。治療には取り外しのきく装置を入れ、噛み合わせを高くする咬合挙上といわれる方法が行われます。またこの年代の過蓋咬合は悪い癖が原因の場合が多いです。悪癖を除去することで、二次的な不正の防止や過蓋咬合が改善することがあります。

永久前歯が4本生えそろい6歳臼歯が生える6歳頃、犬歯や小臼歯が生え変わる8~10歳ごろが矯正治療を始めるか否かを決める時期になります。歯が生え変わるこの時期は顎骨も大きく成長する時期だからです。必要であれば取り外し可能な装置を夜間に使用して、下顎の成長を促し前歯の傾斜の改善を行います。

上顎の成長は12歳ごろにほぼ完成しますが、下顎は身長が伸びているうちは成長を続けるので、症状によっては17~18歳まで経過観察が必要です。

*過蓋咬合の予防*

姿勢や口の動かし方で、日常的予防もあります。猫背やあごを突き出して首が前に出ている姿勢は、下顎の筋肉を緊張させ下顎の成長へ影響を及ぼしかねません。背筋を伸ばし、正しい姿勢を維持するようにしましょう。また口呼吸や頬杖もお口周りの筋肉のバランスを崩す原因になるので、注意が必要です。

日々の生活で積極的な会話を心掛け、下顎を動かす機会をつくったり、筋肉の過度な緊張があるときはマッサージでリラックスさせるのも方法です。

成長期の下顎骨の成長を妨げることのある過蓋咬合、気になることがございましたら、お気軽にご相談ください。

世田谷区 千歳烏山 浜岡歯科クリニック

歯科医師小嶋が担当いたしました。